うまく実行すれば、大幅に相続税が減る可能性があります!

相続財産・相続税の試算を行い、遺言書の作成、相続税の納税資金の確保という検討課題をクリアにした上で、相続税の節税対策を検討します。
相続税の節税は、相続税の計算方法が、(遺産総額−基礎控除)×税率 となっていることから、遺産総額を減らすか基礎控除を増やすことによって可能となります。

遺産総額を減らす

まず、遺産総額を減らすことを検討してみましょう。これには、現金等の相続財産を減らす、土地の評価を下げる、土地の有効活用を図る等が考えられます。

(1)現預金等を減らすには、以下の対策が考えられます(納税資金確保としても有効)

  • 配偶者や子へ生前贈与をする
  • 手持ちの現預金を生命保険金や死亡退職金へ組み変えることにより、死亡保険金、死亡退職金の非課税枠を活用する
  • 不動産賃貸をされている方であれば、不動産所有法人を活用することにより、家賃がオーナーの個人会社や、ご家族に貯まるようにする

(2)土地の評価を下げるには、以下の対策が考えられます。

土地の利用区分を再検討する

相続税を計算する場合の土地の評価は、その利用区分ごとに計算をします。
例えば、自宅の敷地内に、貸し駐車場がある場合には、自宅の敷地と、駐車場部分を別々に評価します(別々に評価した方が評価額が下がることが多いです)。
しかし、アスファルト敷きや柵がない場合等、その区分があいまいな場合には、自宅敷地と一体で評価することになるため、多少費用がかかっても、駐車場としての形式を整えておいた方がよいでしょう。
自宅敷地内に親族の家がある場合や、貸家がある場合も同様に工夫の余地があります。

小規模宅地の特例を検討する

居住用の建物の敷地である土地を配偶者や同居の子が相続した場合等には、評価額を80%減額することができます。この規定の適用を受けられるよう、子供が同居する・二世帯住宅を建てる等の対策を検討します。

有効活用(マンション等の建設)

例えば、1億円の現金でマンション等を建設した場合には、相続財産が現金からマンションへと変わります。現金の評価はそのまま1億円ですが、マンションの評価は約4割の4千万円へと下がります。マンションの建設による相続税の節税効果は大きいですが、空室リスク等マンション経営の事業採算性を検討せずに行うと後々問題となります。相続対策 = 借入をしてマンション建設とは安易に考えてはいけません。
よく相続対策として、銀行等が借入を薦めてくることがありますが、これは銀行は融資をすること、不動産会社は賃貸物件を建設することを目的としているからです。
当事務所は、中立な立場から他に節税方法がないか検討し、その上で、納税資金があり、事業採算がとれるのであれば、そこで初めてマンション建設をご提案します。

基礎控除を増やす    –養子縁組–

基礎控除額は、相続人を増やすことによって増額します。つまり、養子縁組をすることにより、相続人を増やすことができる訳ですが、相続税法上は基礎控除計算上の養子は、実子がいる場合には1人までと制限されています。
また、養子縁組は、戸籍や姓が変わる等その人の人生に大きな影響を与えます。相続対策としての養子縁組は慎重に行う必要があります。